春は桜よりもミモザの黄色のほうがわたしを喜ばせる。
変わり者と言われようが 偏屈と言われようが
桜がきれいと言ったことはあるが
好きと言ったことは生まれて一度もないと思う。
桜と同じ季節に咲くミモザの黄色は
ヨーロッパの春と抒情的につながっていて
ミモザが風に揺れる様は
広い大地を列車で旅ながら車窓から未知の大地を眺めている自分と
ロマンティックにつながっているから
花そのものが好きというより
花がもつイメージが勝手な妄想力をかきたてるから好き。
今年のミモザは遅かった。
寒さが影響しているのかな。
近所の垣根にようやく咲いた黄色を眺めて
ほっとする。
通りがかりにミモザの黄色をみつける度
これはかーさんの一番好きな花だよ。
と子供に毎年伝えることにしている。
大きくなって旅をして
どこかの国でこの花をみたら
かーさんを思い出してくれたらいいなと。