ayacollette

AYACOLLETTE はこうやって作られました。

【亡き王女のためのパヴァーヌfeat.中村としまる】

【亡き王女のためのパヴァーヌfeat.中村としまる】

〜no input  mixing boardという楽器〜

フランス人作曲家ラヴェルは晩年記憶障害を患っていました。街で流れるこの曲を聞いて「これは何という曲ですか?美しい曲ですね」と人に聞いたそう。私はこの逸話が大好きです。記憶を無くし脳が壊れていこうと何かを美しいと思う感性は人の中に残り続けるという事の有難さ。ラヴェルはその人生で二度この曲に出会っている事になります。実は私もパヴァーヌとは二度目の出会いをしているのでした。1994デビューのミニCD 彼女は文学「elle est les lettres」に短くこのパヴァーヌをコラージュして使いました。歌詞はリヴェットの映画から。あれから30年もの時が流れて…好きなものって変わらないですね。マルグリットデュラスの映画アガタ「AGATHA」(小説を朗読する、目に見えない映画。)を見てこの中に私は入りたい、これを音楽で表すとしたら、、それがアヤコレ版パヴァーヌを作るきっかけでした。共演者に選んだのは、自作楽器no input  mixing boardを開発、演奏する中村としまるさん。音響界の大御所。彼しか出せない音と感性を持っているアーティスト。30年前にアメフォンの録音現場で共演させて頂いた時の強力な印象そのままに収録に参加してくれました。アヤコレ版亡き王女のためのパヴァーヌ。ラヴェルさんは草葉の陰でどう思っているかしら。楽しんでいただけたら嬉しいです。