ayacollette

ひと夏の虫体験

今年の夏はとにかく虫にはじまり虫に終わる、いやまだ終わらない虫の夏から
虫の秋へ移行しつつある今日この頃(カブトムシ・クワガタからコオロギ・スズムシ・マツムシへ)

日中の猛暑を避けて、すこし陽が傾いてきた、午後4時頃

さぁいくぞとばかり 長袖長ズボンを着込んで汗だくになりながら
裏山へ
なぜか 地元の子供はほとんど見かけない。
身近すぎて珍しくもないのだろうか。涼しい部屋でゲームでもしているのであろうか。
都心近くの住まいから郊外へ引っ越してきて間もない彼らにとっては
八国山のすべてが魅力に満ち満ちているらしい。

友人夫婦が遊びに来てカメラマンの旦那さんが
スナップショットを撮ってくれた。
さすが本職。なんでもない日常も
夏の1ページ的な絵になっている。

夏の夕暮れ、少し秋風を感じると
彼らと過ごした暑い夏が通過し、終わりに近づいている寂しさと
一緒に濃密な時間を体験できたひと夏の充足感が
私の手元に残された宝物だということに気がつく。

あと何回虫採りに一緒に行けるかなぁ。

幼い頃、父と瀬戸内の離島に日露戦争の砲台跡を
見に行った。
人の立ち入らないジャングルのような森の前を歩く
父の背中にセミの大群がとまって 物凄い轟音で
ミンミン鳴きだしたことがあって
びっくりしたことがあった。
「とーちゃん、セミセミ!」と
指さしている自分の背中にもセミの大群がとまっていたのだ。
そんなことは 40年たった今も覚えているのである。
彼らの記憶にもこの夏の虫体験は残るかなぁ



撮影 渡邉 寿岳