「子供より古書が大事と思いたい」鹿島茂 著
このタイトルに目を奪われる自分もどうかしてるが
内容の面白さに やっぱりこの人かぁ・・と
鹿島ワールドに足をつっこんでしまった。
冊子 ふらんす によく寄稿されてたのを読んでは
気になっていたのだがそれも10年も前の話
バルザック熱再来で 結局 鹿島ワールドの蜜に吸い寄せられるように
大量に彼の書き物を読んでいる。
そして彼の膨大な古書コレクションの展示が
近所でやってたので ママチャリでいそいそ。
18世紀の手の込んだファッションプレート
そしてそこにある仕事の丁寧さ 粋 時間の積み重なり。
時間の流れが決定的にちがう現代だからこそ
膨大な時間が注がれた細密な仕事に目を奪われるのだろうか。
借金を重ねても なんとしても手に入れたい熱に
かられて オークションに参戦し
追われ追われの人生を送っている鹿島センセーの気持ちも
わかる気がする。古書は 男のロマン。
家族は大変だろうが。
さらに驚くべきは
食い入るように見つめる観客のおばちゃんたち
100人はいただろうか。
フランス古書展なんて10人くらいしかいないんじゃないかと思ってきたが
甘かった。フェルメールじゃなくてもわんさか集まるおばちゃんたち。
東京は暇でお金のある知的インテリ憧れ後期高齢者おばちゃんが多い。
それでも鹿島氏のギャラリートークを遠くで聞きながら
昔の人の美しい書体などもみとれて
うっとり幸せな時をすごす。