アクワサセールラムール 愛なんてなんのためにあるの?
デュエットで恋人のテオサラポと歌う歌がある
その問いに対して
1つ1つピアフが教え諭すように歌っていく
愛のない人生なんてからっぽよ
いや愛なんて2つに1つはつらいばかりじゃないか
いいえ たとえ愛は壊れても
想い出は永遠に心に残る
愛は永遠なのよ
夢のような幻のようなセリフを
まじめな表情で切々と歌い上げるピアフ
フランスの市場の魚屋さんにいそうな
威勢のいい雰囲気をまとい
小さな身体を震わせながら率直に歌う姿は
こちらが逃げられない凄みがあって
魅了される
そういえばピアフにも子供がいた
4歳の時に病気でなくなってしまった女の子マルセル
当時の彼女は若すぎて
葬儀も出せないほど困窮していたようだが
ベルヴィルの彼女のお墓にはマルセルの名前がちゃんと
刻まれていた
彼女が愛を語る時
恋人や周囲の人に対してだけではなく
なき子供への愛もきっとこめられていて
無償の愛という美しい言葉が
あてはまるものだったのだろうなと
想像に難くない